201657日、念願のスクールバスが学校に到着しました。

 

 最初に26人乗りのスクールバスが学校に届いたのは、2016412日でした。黄色い花のレイをかけられ、緑のリボンを結んで、子どもたちに迎えられたバスは、まるで貴婦人のように晴れがましい様子でした。学校の正面玄関をバックにしたスクールバスを囲んで、子どもたちはインドの国旗と日本の日の丸の旗を振って、「日本の皆さん、ありがとう!」と大喜びでした。しかし、バスはナンバープレートも学校の名前もない、仮の納品だったので、また、自動車会社に戻されました。子どもたちは、少しがっかりしました。

 そして、1か月後の201657日、ナンバープレートを付け、学校名の印刷されたスクールバスは、子どもたちの前に堂々と、黄色い車体を現わしました。子どもたちは今度こそ本当に、自分たちのスクールバスとして迎えることが出来たのです。これは、本当に素晴らしい日本からのプレゼントでした。

 今まで、子どもたちは、小さな三輪タクシーに詰め込まれるようにして、通学していました。公共バスがなく、車の往来の激しい凸凹道を通うのは危険だ、スクールバス2台を用意しなさい、という州教育庁からの通達が以前から出ていたのですが、予算がなく、とりあえず、1台をローンで購入しました。広範囲で遠距離から通う子どもたちのために、1台のバスで2往復していたのですが、早朝からの通学では健康にも悪く、もう1台のバスはどうしても必要でした。

 私どもの講演で、窮状を知られた佐藤神父様が、中越・上越地区の7つのカトリック教会に、2015年度のクリスマス目的募金を、「スクールバス購入のための協力募金」とするように、呼びかけてくださいました。また、以前から気にかけていただいていた横浜市の原野ご夫妻からも多額のご寄付をいただき、私どもの自己資金も加えた235万円で、2台めのバスを購入することが出来ました。

 これからは、遠距離の子どもたちも安心して通学することが出来ます。また、社会見学やスポーツの遠征等も出来るようになります。

 多くの皆様の真心が、遠い国の、貧しくて学校に通えなかった子どもたちに届きました。本当にありがたいことです。慈愛深い皆様に、子どもたちの喜びの笑顔と共に、心よりのお礼を申しあげます。(2016510日)

 

教育と環境の「爽」企画室

代表 片桐 和子